会長挨拶

第40回日本消化吸収学会総会 会長
藤山 佳秀 滋賀医大・消化器内科

このたび、2009年10月に京都宝ヶ池で開催されますJDDW2009において、第40回日本消化吸収学会総会の会長を拝命し、大変光栄に存じております。本学会会員の皆様のご指導・ご支援をいただき、より実り多い学会となるよう微力ながら誠心誠意務めて参る所存でございます。

本学会は1970年に消化吸収研究会として発足し、1985年に日本消化吸収学会へと発展し現在に至る40年に及ぼうとする歴史と伝統が積み重ねられてきています。この間、国民の食生活、衛生環境をはじめとする社会環境、人口構成の変化から疾病構造も大きく変貌をとげています。その中で、健康維持・生活習慣病予防そして諸種病態時の基本的な対策として、これまで本学会を通して積み上げられてきた消化吸収に関する基礎的・臨床的知見に立脚した栄養療法そして栄養治療へのアプローチが期待されています。一方で、カプセル内視鏡やダブル・シングルバルーン小腸内視鏡の開発と普及は全小腸の観察・処置を可能とし、さらにMDCT/MRI enteroclysisをはじめ種々の先進的な手技・手法が導入され、消化吸収の分子機構、腸管粘膜炎症と修復、そして再生をめぐっての基礎的検討と相まって、消化吸収障害―腸管不全―の病態解明に向けての新たなアプローチが展開されつつあります。

このような背景をふまえ、理事長はじめ役員・プログラム委員・評議員の多くの先生方のご助言をいただき、本総会では「Intestinal Failureの病態と対策」「炎症性腸疾患における栄養療法の新たな展開―基礎と臨床―」「消化吸収機能を標的とした機能性食品の展望」「膵・胆道疾患における消化吸収障害とその対策」「血中コレステロールにおける腸管吸収の臨床的役割」を主題として取り上げ、またSir Nicholas Wright教授の招聘講演を予定しております。

会期はJDDW2009後半の2日間の予定ですが、他学会参加の先生方にも関心を持っていただける学会運営に努めたいと考えております。会員の皆様の奮っての御参加を心よりお待ち申し上げております。


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