W13:非代償性肝硬変治療の工夫
司会/山田剛太郎 坪内博仁


欧米では非代償性肝硬変の治療は肝移植が中心であるが、脳死肝移植が難しい本邦では内科的治療法が極めて重要である。我が国の肝硬変はC型が65%、B型が12%とウイルス性肝硬変が多い。新たな抗ウイルス薬の開発とともにウイルス性肝硬変に対しても積極的な治療が試みられるようになり、原因除去療法の可能性が見え始めている。一方では、終末期としてとらえられてきた腹水、黄疸、肝性脳症などの肝不全症状や胃食道静脈瘤、特発性細菌性腹膜炎、肝腎症候群などのさまざまな合併症に対して種々の治療が試みられている。したがって、治療法の工夫によっては、非代償性肝硬変もQOLの改善のみでなく、代償性への回復や生命予後の改善、さらには肝癌合併肝硬変での肝癌治療法の選択の広がりなども期待される。本ワークショップでは各施設で実施されている非代償性肝硬変に対する治療戦略や様々な工夫をご紹介頂き、現状と今後の展望について議論したい。

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