W22:食道静脈瘤治療におけるEVLとEISの使い分け
司会/北野正剛 國分茂博


内視鏡的硬化療法(EIS)が食道静脈瘤の治療法として本邦に導入され、20年以上が経過した。その間多くの施設で治療効果をあげるため手技の工夫がなされ、良好な長期成績が得られ、海外にはない予防的EISも一般的となった。それに対し1989年に鈴木らによって紹介された内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)は、EISに比べ手技が容易で合併症が少なく、またより簡便なデバイスが開発されたこともあり、食道静脈瘤の治療法として急速に普及した。一般にEVLは下部食道の荒廃効果についてEISに劣り、EVL単独治療の長期成績には問題がある。しかしEVLは海外では止血率、生存率でEISに優り食道静脈瘤出血症例に対する第一選択となっている。本ワークショップではそれぞれの施設での食道静脈瘤治療の成績と本邦ならではの工夫について発表していただき、EVLとEISの治療効果を再検討し、食道静脈瘤に対する内視鏡的治療戦略の今後の方向性を明らかにしたい。

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