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乏血性肝腫瘍の診療アルゴリズム
司会  
塚田一博
富山大・2外科
 
斎藤明子
東京女子医大病院・消化器病センター消化器内科


肝腫瘍における乏血性腫瘍の代表的疾患である肝内胆管癌と転移性肝癌の鑑別は画像診断のみならず組織診断を含め,臨床上大変難しいことがある.両疾患ともに増加しているが,肝内胆管癌はとくに病因もいまだ不明であり,無症状で進行した状況で発見される場合が多く,切除が唯一治癒の望める現状では,診断の遅れやすい難治性疾患である.このワークショップでは,肝の乏血性腫瘍とくに肝内胆管癌を中心に,転移性腫瘍との鑑別や肝細胞癌との治療法の差違を念頭に診療アルゴリズムを発表していただきたい.特に肝内胆管癌において,早期発見に結び付くリスクファクター,画像診断,細胞採取による播種の危険性や遺伝子診断まで含めた確定診断の可能性と有用性,さらに治療では切除はもちろん,乏血性腫瘍における動注を含む化学療法ならびに焼灼療法などの治療評価からそれぞれの治療法の優劣判断まで,特徴ある発表を期待している.