JDDW2010 第18回 日本消化器関連学会週間  
16日 / 14:00-17:00 第13会場

消化器外科学会プラクティスアワ−

消化器外科領域における各種ガイドラインの活用

司会: 市倉 隆 宮内庁侍従職
上本伸二 京都大・肝胆膵・移植外科

消化器外科領域においても種々のガイドラインが発刊され,手術術式の選択,術前術後管理,抗菌薬や抗癌剤の選択と投与方法,栄養支援の必要性など,かなり細目にわたっての治療方針決定に活用されている.ガイドラインの作成ではRCTによるエビデンスを基本にしているが,肝胆膵外科領域では良質なエビデンスが少なく,胃・大腸癌でも手術治療に関するエビデンスは不十分であり,この点を十分に理解した上での活用が望まれる.高齢者や重要臓器機能低下例ではガイドラインに沿わない治療を行う場合も少なくない.とくに侵襲が大きくなる食道癌や肝胆膵領域では症例ごとに治療法を十分に吟味すべきである.また治療成績向上や術後QOL改善を目指した研究的治療が提示される場合もある.一方でガイドラインを逸脱した治療を行おうとすれば,その根拠を患者に十分に説明した上で同意を得る必要がある.本企画では,各ガイドラインの個々の問題点は別として,ガイドラインを臨床現場で使用する際の各施設で行われている工夫を中心に発表いただき,消化器外科の実地臨床に広く役立つようなディスカッションを期待したい.

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