JDDW2010 第18回 日本消化器関連学会週間  
15日 / 15:30-17:00 第12会場

ワークショップ 23

自己免疫性膵炎と膵がんの鑑別

司会: 白鳥敬子 東京女子医大・消化器内科
  後藤満一 福島県立医大・臓器再生外科

自己免疫性膵炎の診断で最も重要なのは膵癌や胆管癌との鑑別である.自己免疫性膵炎も膵癌も閉塞性黄疸や糖尿病を発症し,膵腫大や主膵管狭細像などその臨床像は非常に類似している.膵癌と診断され切除された症例の約2%が自己免疫性膵炎であったという報告もある一方,自己免疫性膵炎と安易に診断されステロイド投与中に膵癌が進展した症例もある.自己免疫性膵炎診断基準2006ではIgG4測定が追加されたが,必ずしも特異的ではなく,米国や韓国ではステロイドによる治療的診断も容認されているが我が国では慎重である.侵襲の大きな外科治療を回避するためにも,自己免疫性膵炎と膵癌の鑑別には信頼性の高い診断が求められる.本ワークショップでは,自己免疫性膵炎の臨床像,膵外病変,画像所見,膵管像,血清学的所見,膵組織像など,膵癌との鑑別点をあらゆる面から徹底的に探り,豊富な経験例に基づいた精度の高い鑑別診断を提示いただきたい.

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