消化器内視鏡学会 特別企画4

22日 9:00-12:00 第13会場

内視鏡学会ESDガイドラインを目指して:
Part1:食道癌、Part2:胃癌≪アンサーパッド≫

指定

  司会 門馬久美子 がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科
    矢作直久 慶應義塾大・腫瘍センター
    吉田茂昭 青森県立中央病院
    小野裕之 静岡がんセンター・内視鏡科
Part1:技術の進歩に伴い,食道癌の内視鏡診療は大きく変わった。以前は,病変の発見にヨード染色が不可欠であり,生検後に治療方針を決めていた。しかし,narrow band imaging(NBI)の開発により,内視鏡治療の対象となる表在食道癌の多くは,ヨード染色や生検を行わなくとも,NBI併用拡大観察を行うことで,病変の質的診断が可能になった。また,治療に関しても,ESDが開発されたことにより,多分割切除にならざるを得なかった大型の病変も,一括切除か可能になった。狭窄を起こすため,3/4周以上の周在の広い病変は相対的適応とされているが,頻回のバルーン拡張を行うことまで治療計画に含めた上で,切除治療が行われている。更に,10%程度にリンパ節転移の可能性があるT1a-MM癌やT1b-SM1 癌に対しても,内視鏡治療が行われており,切除組織の結果により追加治療をどの様にすべきかについても議論が分かれるところである。これらの点を踏まえ,本学会では臓器別の一つとして食道癌ESD/ガイドラインを作成した。本セッションでは,ガイドラインの作成や評価に関わった委員の先生方に要点や問題点を解説していただき,さらにアンサーパッドを用いて会場の意見も集約しながら,このガイドラインを検証してみたい。
Part2:本学会では今般早期胃癌に対するESDについて,エビデンスに基づく標準的なガイドライン案を作成した。従来の経験則や技術的な点に基づく旧ガイドラインの記述内容は,「ハンドブック」的な冊子として別に作成することとし,ガイドラインとしては,客観的な評価が可能な項目を採択している。本企画では,ガイドライン作成委員からガイドライン作成の基本方針,具体的内容について説明していただき,ディスカッサーおよび聴衆との質疑応答,議論を通して,本学会としてのESDガイドラインの方向性を定めることとしたい。