シンポジウム19

23日 9:00-12:00、14:00-17:00 第1会場

エキスパートに学ぶ標準化を目指した手術手技
−消化管の開腹手術、鏡視下手術におけるknack and pitfall−
Part1:上部消化管 Part2:下部消化管 ≪ビデオ≫

公募・一部指定

  司会 夏越祥次 鹿児島大大学院・腫瘍制御学・消化器外科学
    宇山一朗 藤田保健衛生大・上部消化管外科
    前田耕太郎 藤田保健衛生大・4消化器外科
    坂井義治 京都大大学院・消化管外科学
Part1:上部消化管癌(食道癌,胃癌)の手術は開胸あるいは開腹術の手技は概ね確立されてきた。一方,上部消化管癌手術にも鏡視下手術が導入されて以来,器具の改良や手術手技の進歩には著しいものがみられている。開胸・開腹手術と鏡視下手術は相対するものではなく,両者の長所,短所を理解することがまず必要である。その上で,それぞれの手技にお互いに不足するものを付加することにより,手技を向上させていくことが肝要である。各々の手技にはknack and pitfallがあり,これらを明らかにしながら両者の手技を総合的に良い方向に構築していくことが,標準化を確立する方法と考えられる。本シンポジウムでは開胸・開腹手術と鏡視下手術の現時点での標準的手術を,knack and pitfallを含めて供覧していただき,今後の標準化手術手技に向けて議論したい。
Part2:大腸の手術では近年鏡視下手術の普及はめざましい。基本的には腹腔内での最終的な手術の仕上がりは開腹手術と同等のものを目指して行われているが,2次元での視野,操作する鉗子の部位,操作性などで種々の制限があることは否めない。そのため各種の手術の手順や操作・器具の工夫と改良が行われている。一方開腹手術では部位によっては視野展開や操作が困難なため,安全で確実な手術を行うために手技の工夫や定型化が行われてきた。これらの手技を定型的に行うには手術操作での落とし穴に注意する必要があり,そのメルクマールとなる注意点がある。これらのknackとpitfallに留意すれば手技の標準化が可能となる。本シンポジウムでは,大腸の良悪性疾患のエクスパートに標準化を目指した手術手技をビデオで供覧していただく。