シンポジウム24

23日 10:30-12:00 第13会場

腹膜播種を伴う胃癌に対する治療の問題点と戦略

公募

  司会 平川弘聖 大阪市立大大学院・腫瘍外科学
    今野弘之 浜松医大・2外科
進行胃癌に対する治療は近年大きく前進した。すなわち,外科治療では傍大動脈リンパ節の予防的郭清や食道浸潤胃癌に対する開胸開腹手術の有用性に関して否定的な結論が出され,進行胃癌に対する外科治療の標準化と,胃癌治療の均てん化を促がした。また,進行胃癌に対する化学療法は高い推奨レベルにもかかわらず,具体的なレジメンの呈示はされていなかったが,臨床試験の結果を受けて術後補助療法及び進行胃癌に対する標準治療レジメンが胃癌診療ガイドラインに記載された。さらに,分子標的療法剤が一部進行胃癌に認可される予定であり,個別化治療への道も確実に広がっているといえる。今後,外科治療と薬物療法を中心とした集学的治療により,進行胃癌患者のさらなる予後向上を期すためには,腹膜播種を伴う進行胃癌に対する効果的な治療戦略の構築が喫緊の課題の一つである。化学療法レジメン,投与経路,外科的介入のタイミングなど,本シンポジウムでは,腹膜播種に対する現行の治療の問題点を明らかにし,今後の新たな集学的治療,個別化治療への道を探りたい。