シンポジウム7

20日 9:00-12:00 第13会場

低用量アスピリンによる消化管粘膜傷害のup to date

公募・一部指定

  司会 浅香正博 北海道大大学院・消化器内科学
    坂本長逸 日本医大・消化器内科
高齢化社会を迎えて,心血管系イベント予防のため低用量アスピリン(LDA)の使用が増えている。本邦ではLDA服用者の胃十二指腸潰瘍発症率に関する多施設コホート研究が進行中であり,平成22年7月には潰瘍既往歴を有する患者がLDAを服用する場合,潰瘍再発予防にPPIが保険診療で許可された。このようにLDA服用に伴う潰瘍発症リスクは充分に理解されつつあり,潰瘍と診断された患者のLDA服用の有無については多くの報告を認めるが,LDA服用者の潰瘍有病率や発症頻度については,これまでのところ報告が少ない。最近ではLDA服用者の小腸病変がカプセル内視鏡で指摘されており,LDAによる粘膜傷害は上部消化管に止まらない。そこで,本シンポジウムではLDA服用に伴う上部,下部消化管粘膜傷害,及び出血イベントに関する疫学研究,保険診療で認可されたPPIの予防効果や消化管粘膜傷害に関する様々な臨床研究を広く公募し,LDAをめぐる粘膜傷害のup to dateを議論したいと考えている。