ワークショップ9

21日 14:00-17:00 第10会場

我が国の肝移植の現状と将来

公募・一部指定

  司会 市田隆文 順天堂大静岡病院・消化器内科
    島田光生 徳島大・消化器・移植外科
我が国で肝移植は末期肝疾患の治療法として定着しているものの,生体肝移植がその大部分を占めるという極めていびつな状況であり,生体肝移植独特の問題(PSCの再発など)も明らかになってきた。一方,2010年7月の改正臓器移植法の施行により脳死肝移植も現実の治療オプションとして考慮できる段階に入ってきた。現在,肝移植のブレークスルーすべき課題として,ドナープールの拡大(心停止ドナーなどのマージナルドナー,血液型不適合移植など)や新たな免疫抑制法(寛容誘導)の確立,原病の再発(PSC,肝癌,C型肝炎,乳児劇症肝炎)対策など山積している。また生体肝移植におけるドナーのさらなる安全性確保の工夫や,脳死肝移植でのドナーアクションの推進などが重要な課題として残っている。このワークショップでは,これらの課題に対する精力的・斬新な取り組みを論じて我が国における次世代の肝移植の成績向上の鍵,セレンディピティを探りたい。