パネルディスカッション14

11日 9:00-12:00 第13会場

急性肝不全:新たな定義とこれに準拠した診療の展望

公募・一部指定

  司会 滝川康裕 岩手医大・消化器・肝臓内科
    持田 智 埼玉医大・消化器内科・肝臓内科
我が国の急性肝不全は原則的にウイルス性を念頭において、「肝炎」に限定した診断基準(1982年犬山シンポジウム「劇症肝炎」:2002年日本消化器病学会総会改訂、1968年日本消化器病学会秋季大会「亜急性肝炎」、1986年厚生省班会議「遅発性肝不全」)が策定され、これに準拠した診療指針が発表されてきた。しかし、国際的基準との整合性から、2011年肝炎以外も対象とした「急性肝不全」としての新たな定義が発表された。これを受けて、急性肝不全の成因別の臨床統計、保険診療および特定疾患の認定に関する基準の更新が求められている。特に、これまで成因不明とされてきた症例の病態解析、さらには循環障害、薬物中毒、代謝性疾患、術後肝不全など肝炎以外の症例の実態解明が急務となっている。また、近年注目されているHBV再活性化も視野に入れて、ウイルス性症例の問題点を幅広く議論する必要がある。本パネルディスカッションは国際的視野のもとで、我が国における「急性肝不全」研究の方向性を明らかにしたい。