パネルディスカッション20

13日 14:00-17:00 第1会場

大腸EMR / ESDの現状と適応

公募

  司会 田中信治 広島大・内視鏡診療科
    矢作直久 慶應義塾大・腫瘍センター
処置具の改良やノウハウの蓄積により、大腸においてもESDは広く普及しつつある。これにより従来では切除不可能であった難しい病変でも、習熟した術者であれば、確実な切除が可能となり、内視鏡治療の可能性が大きく広がった。しかし、経験の少ない術者による不用意な治療や偶発症も見受けられる。全ての内視鏡処置は、リスクとベネフィットのバランスにより成り立っており、いたずらにリスクの高い治療を行うことは許されない。したがって、小型の早期癌・SM浸潤の可能性が極めて低い病変や大きくても明らかな腺腫性病変に関しては、EMRで治療を行うべきと考えられる。ところがEMRであっても、不完全な治療により局所再発を繰り返し、内視鏡的な再治療が困難なうえに、切除した病変の評価も不十分になってしまう症例も見受けられる。この様な事を考えると、実際の治療適応は、病変の性質だけではなく術者の技量や施設の状況を勘案して決定されるべきである。本セッションでは、各施設のEMR/ESDの適応と成績を示して頂き、EMRとESDをどのように使い分けるかディスカッションしたい。