シンポジウム19

13日 9:00-12:00 第2会場

エキスパートに学ぶ手術手技のコツ
消化管(膜の解剖に基づいた消化管手術)

指定

  司会 笹子三津留 兵庫医大・外科(上部消化管外科)
    渡邊昌彦 北里大・外科
胎生期に生じた臓器形成のプロセスを逆にたどる操作と考えると、消化管の手術は理解しやすい。消化管の回転によって癒合した複雑な膜構造を認識し、それらを文字通り剥がしていくことで出血の少ない安全な手術となる。これぞ本物の低侵襲手術である。また、消化管の回転で捩じれた血管の走行の立体的な理解は、合理的な郭清を可能にする。これらは言わずもがなの話で、誰もが頭では承知していることである。しかし、複雑で個体差の著しい膜構造について発生学をひもといて講釈してもらっても、研修医を相手に日々奮闘している私達にそれらが役立つどうかいささか疑問である。とくに胃を取り巻く膜解剖は奥が深い。それらの複雑な解剖を解きほどく鍵を知り、かつピットフォールも心得てこそ、スマートな手術をこなすエキスパートといえよう。そこで、今回のシンポジウムでは件の外科解剖を知り尽くしたエキスパートに、消化管手術のコツについて実践的で解り易い議論を展開していただきたい。