シンポジウム4

10日 14:00-16:30 第8会場

胃がん検診の理想的な住み分け:新しい検診方式を目指して

公募

  司会 一瀬雅夫 和歌山県立医大・2内科
    渋谷大助 宮城県対がん協会がん検診センター
最近の胃がん検診の動向として、受診対象者に占める高齢者層の増加と若年者ではピロリ菌感染率の顕著な低下が指摘されている所である。一般に高齢者では健康度に個人差が大きく、重複がんの発生、生活習慣病などの合併頻度が高いなどの特徴がある。また、検査に伴う偶発症発生も無視出来ないなどの問題もある。一方、若年者では胃癌low-riskであるピロリ菌未感染者の割合が大半を占めて居り、このような対象者に対して一律にX線検査を行うことは、放射線被曝の観点からも問題となろう。また、将来一時的に予想されるX線読影医不足に対しても対応が必要であろう。以上の問題を解決し、効率的な検診システムを確立するためには、個別検診・総合健診(検診)の導入、内視鏡検診、検体検査によるリスク別検診の導入などが考えられるが、有効性の評価、精度管理法の確立など課題も多い。本シンポジウムではそれらの課題にも触れ、今後の検診対象者の動向を踏まえた上で、胃がん検診の理想的な方式について議論したい。