ワークショップ21

13日 14:00-17:00 第5会場

細径内視鏡スコープの食道胃スクリーニング精度と偽陰性例の検討

公募

  司会 安田 貢 香川県立がん検診センター・消化器科
    鈴木秀和 慶應義塾大・消化器内科
経鼻内視鏡に代表される細径内視鏡検査は、通常径に比較して受診者の苦痛が少ないとされるが、画質や操作性、吸引力その他性能の違いを考慮すると、食道胃スクリーニング検査では、適切な前処置はもとより、インジゴカルミン等の色素撒布や画像強調処理を併用した観察が望ましいと言える。では、そのような極細径内視鏡検査の診断精度は、従来の通常径と比べて果たして同等と言えるのであろうか。その解明には、がん発見率のみならず、発見病変の質、すなわち早期癌や内視鏡治療可能病変の割合、臨床病理学的特徴の差等の検討が必要だが、今回は見逃された病変の質やその割合、すなわち偽陰性例(率)の詳細な解析にも期待したい。また検診の場では、必ずしも生検可能なシステムが整備されているとは限らないため、生検適中度の評価も重要である。受診者背景、術者、機種等の違いを考慮する必要もあろう。さらに、スクリーニングという性格上、医療効率、医療経済的側面も看過できない。細径内視鏡の上部消化管内視鏡検査応用に関する、医療政策的評価を裁断する大規模なエビデンス構築も期待される。