シンポジウム 14
NBNC肝がんの諸問題 |
司会 |
武冨紹信 |
北海道大大学院・消化器外科学分野I |
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佐々木裕 |
熊本大大学院・消化器内科学 |
これまでの肝癌の診療や基礎的・臨床的研究の多くは,B型あるいはC型慢性肝疾患を背景とした肝癌を対象としており,治療法のアルゴリズムも確立され,また臨床病理像や発生進展機構に関する理解も深まってきている.一方,非B非C(NBNC)肝癌に関しては,定義についての更なる議論は必要であるが,NASH・アルコールなどに関連する肝癌が少なからず存在することが広く認識されるようになった.実際に,日本肝癌研究会の全国集計において過去10年間にNBNC肝癌の占める割合が上昇しており,本邦の生活習慣の変化が肝癌発生に関与している可能性がうかがわれる.本シンポジウムでは,NBNC肝癌の現況と問題点につき多方面からの議論を行いたい.具体的には,頻度,臨床像の特徴,治療法の選択,予後,癌組織や背景,肝の病理像の特異性,発癌のメカニズムなど,臨床,基礎の両面からの知見を集約し,NBNC肝癌の病態を明らかにすると共に,診断法や治療法についてのコンセンサスと課題についても議論したい.