シンポジウム 15
局所高度進行膵体部癌の治療戦略 |
司会 |
宮崎 勝 |
千葉大大学院・臓器制御外科学 |
|
太田哲生 |
金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科 |
実臨床において,椎体直上に位置する高度進行膵体部癌の治療にあたっては,各種の画像診断装置を用いて,①脾動脈・総肝動脈・腹腔動脈幹への直接浸潤の有無,②動脈周囲の神経浸潤の有無,③リンパ節転移の程度,④膵頭側への浸潤(とくに,門脈本幹への浸潤の有無)の程度など,癌腫の進展度を正確に把握する必要がある.そして,長期生存を得るためには,その結果をもとに外科治療・化学療法・放射線療法・免疫療法など,それぞれ単独治療のみならず複数を組み合わせた積極的な治療戦略を考慮しなければならない.すなわち,膵臓外科医は内科医や放射線科医と密に連携をとりながら,診療科を超えた横断的な治療戦略をたてる必要がある.そこで,本シンポジウムでは,膵尾側に発生した膵体尾部癌のうち,脾臓寄りの尾部癌を除き,癌腫の主占居部位が椎体直上に位置し,しかも画像診断時には遠隔転移を認めない「局所高度進行膵体部癌」に限定して,その治療戦略について発表していただきたい.