シンポジウム 5
胃がん検診におけるH. pylori感染胃炎の取り扱い |
司会 |
渋谷大助 |
宮城県対がん協会がん検診センター |
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安保智典 |
北海道対がん協会旭川がん検診センター |
H.pylori感染胃炎(以下HP胃炎と略す)は2013年2月より保険診療適用疾患となり,実診療上の制約が大幅に軽減された.HP胃炎はその特徴的な所見を捉えることで胃がん検診画像における判定が可能とする文献も報告されている.もし,検診画像でも十分HP胃炎が判定できるのであれば,画像で捉えられるHP胃炎を胃がん検診でどのように取り扱ったら良いかが問題となってくる.今のところ検診で指摘可能なHP感染胃炎には取り扱い上の合意がない.そこで本シンポジウムでは胃がん検診でHP胃炎を扱うことの可否を含めて,画像診断におけるHP胃炎判定の精度,受診者への周知方法,事後管理方法,医療機関の受け入れ余力といった観点から胃がん検診システムでHP胃炎を取り扱う場合の問題点と対策や胃がんリスク評価との関係などを多角的に議論し,内視鏡を含めた画像診断による胃がん検診におけるHP胃炎取り扱いの指標を得るための足掛かりとしたい.検診機関ならびにHP胃炎診療に関わる全ての医療機関から広く意見を持ち寄っていただきたい.