24日 14:00-17:00 第3会場
公募・一部指定
ワークショップ 4
胃/十二指腸粘膜防御とその破綻—revisited |
司会 |
樋口和秀 |
大阪医大・2内科 |
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内藤裕二 |
京都府立医大・消化器内科 |
成熟した胃/十二指腸粘膜は細胞の増殖,分化,遊走,死を繰り返しながら,粘膜の恒常性を維持している.さらに,外因的(薬剤,食品因子,細菌など),内因的(胃酸,虚血,炎症,神経など)ストレスに対して,胃/十二指腸粘膜は各種の細胞応答を巧みに利用した生存戦略を発達させてきた.このような粘膜防御機構の分子機構を明らかにすることは,粘膜傷害に限らない炎症,再生,発癌研究につながることが期待される.粘膜を構成する各種細胞にはプロスタグランディン受容体,バニロイド受容体,味覚受容体などが発見され創薬にもつながっている.粘膜防御に関わる細胞応答についても熱ショックタンパク質,Nrf2依存性解毒酵素群,抗酸化酵素群,オートファジー機能などの発見は粘膜防御から発癌につながる分子機構としても注目されている.本ワークショップでは,基礎,臨床に限定しない胃/十二指腸粘膜防御機構に関する最新の話題だけでなく,将来の医療のニーズ(ビジョン)から設定された予備的研究も広く討論の対象とする予定である.