昭和25年兵庫県西宮生まれ。県立神戸高校卒業。昭和51年に東京大学医学部医学科卒業。同第2外科系の関連施設を含めて研修を行い、昭和56年より同第2外科助手、昭和59年に東京大学より医学博士号を取得。同年9月よりフランス政府給費留学生として1年間パリ大学付属病院で勤務。昭和61年には東京大学第2外科医局長を務めるも、がんの専門を極めるべく翌年国立がんセンター病院外科スタッフに転職。平成元年9月ライデン大学外科教授併任、平成3年国立がんセンター中央病院外科医長、平成9年同外来部長、平成18年同副院長を務めるも、臨床と教育への思いを断ち切れず、平成19年兵庫医科大学特命教授、平成20年上部消化管外科主任教授に就任し、現在に至る。
専門は上部消化管外科及び腫瘍外科。海外18カ国で手術指導の経験を持ち、数カ国の外科学会の名誉会員である。胃癌治療の多くの臨床試験の主任研究者として業績を上げている。ことに日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)の胃グループ代表として、外科治療の科学的評価にランダム化比較試験を導入し、国際的にも高い評価を得ている。一方で、がん患者に真実をどう告げるべきかという命題にも先駆的に取り組み、数多くの論文、患者向けの書籍を記している。
これらの業績から平成23年12月に佐川がん研究振興財団より佐川特別賞を、平成26年2月には高松宮妃癌研究基金特別賞を受賞している。