メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月5日(土) 9:00–12:00 第10会場(ポートピアホテル本館 和楽)
MS1-2

緩和ケアをめぐるチーム医療の実践-看護師の立場から-

小山 富美子
大阪医大大学院・看護学研究科
WHOの緩和ケアの定義(2002)は,「生命を脅かす問題に直面している患者とその家族に対して,疾患の早期より痛み,身体的問題,心理社会的問題,スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価を行い,それが生涯とならないように予防したり,対処したりすることで,クオリティ・オブ・ライフ(生活の質・生命の質)を改善するためのアプローチである」としている.看護は,全人的に患者と家族を捉え,健康の回復,増進,疾病予防,安寧な死への援助を行うこととして教育され,実践している.すなわち,看護そのものに緩和ケアの考えが含まれているのである.そのため看護師は,エンド・オブ・ライフにある患者と家族に対し,どのようにQOL を維持,向上できるのか,あるいは尊厳ある死への援助はどうあるべきかについて関心を持って実践しており,それゆえにcareとcureの狭間で苦悩を抱えて来た.2007年がん対策基本計画が施行されると,医師による疼痛緩和の処方が目に見えて変わり,苦痛の緩和についてのディスカッションを多職種で行う機会が増えたと実感している.それと同時に,看護師に求められるがん医療および緩和ケアの知識,技術の質も変化している.緩和ケアにかかわる看護師の状況を踏まえ,医療チームのなかでの看護師の役割や課題について,皆さんと共にディスカッションしたいと考える.
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