パネルディスカッション 7

4日 14:00-17:00 第1会場

公募・一部指定

ESD全盛時代における功罪
司会 山本博徳 自治医大・消化器内科
  小野裕之 静岡がんセンター・内視鏡科
ESDが誕生して既に15年余が経過し,日常診療手技として普遍化された.ESDの適応は拡大されてきたが,これには功と罪が考えられる.ガイドラインでは,根治の基準を局所の完全切除(R0)+リンパ節転移のリスク1%未満に置いており,これは外科的胃切除に劣らない成績を考慮して定められたものである.一方リンパ節転移のリスクが約10%程度あり基準外とされている病変,例えばT1b(SM2)だがR0切除が可能な場合では,逆に考えると90%はESDで根治となるわけである.年齢や合併疾患などの理由で手術を選択しない場合はESDを適応する価値があり,相対的な適応と言える.しかし,相対的適応によるESDを行うことは,よりリスクの高い対象にESDを適応していくことになり,それによる罪の部分も十分考慮する必要がある.ESDによる功罪,特にESDを相対的適応としてさらに拡大していく場合における功罪について議論したい.

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