統合プログラム 3(S)
4日 9:00-12:00 第5会場
公募・一部指定
食道胃接合部癌の諸問題 |
司会 |
一瀬雅夫 |
帝京大 |
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土岐祐一郎 |
大阪大大学院・消化器外科学 |
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小山恒男 |
佐久医療センター・内視鏡内科 |
胃癌学会,食道学会では,食道胃接合部癌を「食道胃接合部上下2cmに腫瘍中心があり,その組織型は問わない」と定義している.この中には,胃噴門部癌とBarrett食道癌が混在しているが,外科切除に当っての術式・リンパ節廓清範囲は胃癌に準じるべきか,食道癌に準じるべきか? 化学療法のレジメンは? 放射線療法の照射野は?等々,食道胃接合部進行癌の治療方針に関しては,未だ充分なコンセンサスが得られていない点が多い.また,表在癌にも問題点が多々ある.そもそも,内視鏡切除標本では病理組織学的なEGJ同定も容易ではない.T1bSM1定義は胃癌では500μm,食道扁平上皮癌では200μmだが,Barrett食道腺癌では絶対値が定められていない.食道胃接合部表在癌のリンパ節転移のリスクがどの程度あるのか? 多数例の検討による内視鏡的根治切除の基準設定が目下の課題である.このように,食道胃接合部には,解明されるべき諸問題が多々ある.そこで,本シンポジウムでは病理,内視鏡,外科,放射線科,腫瘍内科の立場から,食道胃接合部癌診療における問題点を検討し,今後の課題を明確にしたい.