ワークショップ 12
4日 14:00-17:00 第7会場
公募
肝癌分子標的薬導入のタイミング |
司会 |
工藤正俊 |
近畿大・消化器内科 |
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小俣政男 |
山梨県立中央病院 |
2009年5月に日本において進行肝癌を対象にソラフェニブが,承認されてから早くも6年半が経過した.この間に日本でソラフェニブ治療を受けた患者数は26,000人強にも上る.基本的にソラフェニブは切除やablation,TACEなどの既存治療が対象にならない進行癌,特に脈管浸潤や遠隔転移が出現した段階で且つChild Pugh Aの肝機能を維持している患者に対してのみ使用を認められている.しかしながら近年「肝動脈塞栓療法(TACE)不応の定義」が提唱され,多発肝癌や巨大肝癌であってもTACEが無効となった所謂「TACE不応の症例」に対して積極的にソラフェニブが導入されるケースも増えてきた.TACE不応後の治療選択として動注化学療法とソラフェニブのどちらを先行させるかについても活発な議論が行われている.また臨床試験の枠組みでは分子標的薬とTACEや動注化学療法との併用なども試みられている.肝癌に対する分子標的薬がソラフェニブしか無い現状では,いかに効果的なタイミングで分子標的薬を投与するかについては,今後登場してくるであろう新しい分子標的薬の使用方法についてもあてはまる重要な問題である.本ワークショップでは,肝癌の分子標的薬をどの段階で導入するのが最も効果的で,患者の予後を延長させうるのかといった点について議論を深めたいと考えている.多くの応募を期待している.