メディカルスタッフプログラム1(JDDW) |
10月14日 (土) 9:00 - 12:00 第7会場:福岡国際会議場 409+410 |
周術期管理における理学療法士の役割 ~NSTとしての関わりを通じて~ | |||
山口 賢一郎1, 大村 健二2, 長岡 亜由美3 | |||
1上尾中央総合病院・リハビリテーション技術科, 2上尾中央総合病院・外科, 3上尾中央総合病院・栄養科 | |||
【周術期理学療法の取り組み】 平成28年度,上尾中央総合病院消化器外科における周術期理学療法介入実績は251例であり,その20.7%にあたる52例でNSTが介入を行った.介入の目的は呼吸器合併症の予防と早期離床,ADL・自己管理能力の獲得であり,術後3日目以内での歩行開始割合は81.0%に達した.また,そのうち自立歩行の獲得は約6割であった.当院では,NST担当療法士と個別リハビリにて介入する担当療法士の双方で,評価ツールを用いてコミュニケーションを密に図ることにしている.その結果,多職種によるNSTの取り組みが診療に汎化して運用されている. 【新たな取り組み】 2016年より体重減少防止プロジェクトを進め,多職種によるベータベースの作成・分析を開始した.理学療法士は,身体機能面の評価と予後予測を担い,周術期NST対象者の約4割に見られた体重減少に対し,栄養状態に見合った運動負荷・活動量との調整を行ってきた. また同年から,消化器外科・内科病棟,および頭頸部外科・形成外科病棟に管理栄養士が専従配置された.これにより,術後患者の栄養状態がより正確に理学療法士に伝えられる体制が整えられた.理学療法士の立場として,身体機能面における予後予測と退院後の参加レベルでの目標設定が,必要栄養量・食事摂取方法との整合性が図られているかを評価することで,在宅復帰へ向けた身体機能向上,環境整備,生活指導を効率的・効果的に支援している. 【課題と展望】 急性期という性質上,個々の理学療法士が在宅での生活像をイメージして後方支援と連携を図り介入を行っている.一方で,後方支援からのフィードバックを急性期での関わりに汎化させていくという点で,益々の介入の必要性を感じている.今後,入院加療中のADL低下例(全体の8.7%)を予防するとともに,退院後の外来加療中における運動指導や環境設定等,栄養管理的側面も含めた介入をしていくことが,これからの課題である. |
|||
索引用語 1:理学療法 索引用語 2:NST |
|||
ページの先頭 |