メディカルスタッフプログラム1(JDDW) |
10月14日 (土) 9:00 - 12:00 第7会場:福岡国際会議場 409+410 |
多職種連携周術期管理チームにおけるリハビリテーションの取り組みについて | |||
上野 順也1, 木下 敬弘2, 大幸 宏幸3 | |||
1国立がん研究センター東病院・骨軟部腫瘍・リハビリテーション科, 2国立がん研究センター東病院・胃外科, 3国立がん研究センター東病院・食道外科 | |||
【背景】周術期におけるリハビリテーション(リハビリ)は,呼吸器合併症や筋力低下の予防効果があるとされている. しかし,リハビリは療法士のみで行うには限界があり,特に社会的背景の変容や比較的高度な侵襲を伴うがん治療領域においては,多職種チーム体制でリハビリを提供することが重要となる. 【取り組み】当院では,医師・看護師・薬剤師・理学療法士・言語聴覚士・管理栄養士からなる周術期管理チーム(East Surgical Support Team; ESST)を2010年に立ち上げた.当初は食道外科患者に対して多職種でのリスク評価と情報共有,それに基づいたERAS運用の介入を開始したが,現在は消化器外科患者全体に対象を拡げている.年3回のESST全体ミーティングにて各部門の実績や取り組みを報告し,診療科や職種の垣根を越えて改善点や新たな提案を共有している. 【リハビリ科の取り組み】ESSTにおけるリハビリ科の主な取り組みは,理学療法士による呼吸リハビリ・早期離床支援,言語聴覚士による嚥下評価・訓練をNST栄養評価に基づき,診療科の術後クリニカルパスに沿い実施する事である.依頼数は年々増加しており2015年度は494例に対して周術期介入を行った.当院の特徴的なシステムは,術後合併症予防や早期回復を図る目的で作成した食道外科術後リハビリパス(階段パス)である.階段パスは,設定目標が呼吸練習・四肢の運動・離床時間・歩行距離とステップアップする自己促進型術後標準強化プログラムであり,現在までに361例に実施し術後在院日数の短縮を認めている. 【今後の課題】在院日数の短縮が求められる中,増加する高齢・虚弱がん患者に対して入院中のリハビリのみでは効果が十分でない可能性がある.今後は入院中のみならず,手術待機期間,退院後を含めたリハビリの介入体制の構築が必要であると考え,現在5診療科や他部門と連携し,7研究課題が計画中である. |
|||
索引用語 1:多職種 索引用語 2:リハビリ |
|||
ページの先頭 |