JDDW 2017 Close
メディカルスタッフプログラム2(JDDW)
10月14日 (土)  14:00 - 17:00   第7会場:福岡国際会議場 409+410
MS2-3
患者・家族の望む在宅支援~経食道胃管挿入術によるQOLの向上~
杉村 賢子1, 桑原 恵美子1, 池谷 実佐子1
1朝霞台中央総合病院
【目的】当院では,嚥下障害・食思不振などの患者に経腸栄養を行うため,内視鏡的胃瘻造設術,経食道胃管挿入術を行っている.平成28年1月~12月に内視鏡的胃瘻造設術を実施した件数は45件,そのうち胃の捻転・胃がん術後で内視鏡的胃瘻造設ができず,経食道胃管挿入術(以降PTEGとする)を実施した件数は3件あった.3名共経腸栄養を施行できた.減圧目的にてPTEG挿入した件数は2件あり,1名が在宅へ退院,もう1名は退院は出来なかったが,外出することが可能となった.PTEGにより患者・家族が望む退院支援や,外出への調整など多職種の関わりによりQOLの向上につながった例を述べる.【症例1】52歳男性S状結腸癌術後,腸閉塞で入院となりイレウス管を挿入する.終末期でもあり,腸閉塞の改善は見込めず.イレウス管挿入の継続より,在宅に向けPTEGの選択した.PTEGにより,吐き気,腹満感も消失した.少量の経口摂取も可能となった.医療相談員,退院調整看護師が介入し,医師,病棟看護師,訪問看護師と共に在宅退院へ向け調整を図った.また,理学療法士は退院に向け歩行訓練を実施していった.薬剤師は,自宅での疼痛コントロールに関し指導を行った.PTEG管理の指導を行い,外出を繰り返しながら,自宅に退院することができた.【症例2】65歳男性肝内胆管癌術後,食欲不振,腹痛で入院となった.癌性腹膜炎による腸閉塞で,鼻腔からのイレウス管挿入を本人も苦痛との訴えあり,PTEGを選択した.PTEGにて腹部のはり感は軽減した.緩和ケアチームが介入し疼痛コントロール,緩和ケアを行った.アイスなどの摂取も可能となった.症状緩和を図りながら,外出を妻と本人に勧める.本人は退院に向けて外出したいと意欲あり外出する.孫にも会えて良かったと,リフレッシュができた.【結論】当院の例では,終末期・減圧目的でのPTEGであるが,これにより患者・家族の意向に沿える支援が可能となり,患者のQOLの向上につながったと考える.今後も,患者・家族が望む支援を多職種で行えるよう連携を図っていきたい.
索引用語 1:内視鏡的胃瘻造設術
索引用語 2:PTEG
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