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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月3日(土) 9:00~12:00 第11会場:ポートピアホテル南館 トパーズ
MS1-3
病棟看護師が行う消化器がん患者への退院後訪問の有用性
長山 麗香1, 川西 亜紀江1, 潟沼 朗生2
1手稲渓仁会病院・看護部, 2手稲渓仁会病院・消化器病センター
【背景と目的】医療制度改革により,在院日数の短縮に向け療養の場が在宅へ移行している.終末期消化器がん患者は医療依存度が高く,在宅療養につなげづらい.患者の望む在宅療養を目指し多職種チームで連携し,病棟看護師が退院後訪問を実施している.そこで,急性期病院における病棟看護師が行う退院後訪問の有用性を検討する.【対象と方法】対象は,2017年4月~2018年2月に当病棟に入院した患者で,退院後訪問を実施した患者3名(男性3名,女性1名,平均年齢70歳).退院後訪問の実施内容と患者の経過を診療録から後方視的に調査した.調査項目は,患者の基本情報(性別,年齢,主病傷名,病期,転帰),訪問時の看護ケア内容と調整内容,患者,家族の反応とした.【結果】対象の主病傷名は大腸がん,肝内胆管がん,膵頭部がんであり全例終末期で,在宅看取りした.3名とも訪問看護を導入し,うち2名は訪問看護師と同行した.看護師は,再入院の多い患者の病状変化を予測し,退院後訪問の必要性を検討した.訪問時期と回数は,意思決定支援の内容と患者,家族の特性から退院支援部門と決定した.看護ケア内容は「カテーテル管理の確認と助言」「症状の確認と対処方法の助言」「患者,家族の不安軽減への支援」「生活状況の確認と助言」であった.調整内容は,訪問看護師や外来看護師に患者,家族の意向や医療処置方法の引き継ぎであり,患者,家族から,〈意向が尊重されている〉〈自宅退院できた喜び〉〈知っている人が来ることの安心〉との反応が得られた.【考察】医療依存度が高く病状が変化しやすい在宅療養の導入期に,病棟看護師が築いてきた関係性をつなげることが,在宅療養の調整をスムーズにした.患者,家族の意向の尊重と不安への対応が,在宅看取りにつながり,患者,家族が安心できる在宅療養の一助になると考えられた.【結論】多職種と連携を図り退院後訪問の効果や必要性を検討し実施することは,患者,家族が安心できる包括的かつ継続的な在宅療養の支援に有用であった.
索引用語 1:消化器がん患者
索引用語 2:退院後訪問
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