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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月3日(土) 9:00~12:00 第11会場:ポートピアホテル南館 トパーズ
MS1-4
当院におけるストーマ保有患者に対する院内連携,地域連携の取り組み
古川 尚恵1, 笠島 浩行2
1市立函館病院・看護局, 2市立函館病院・消化器病センター消化器外科
【目的】医療の進歩に伴い手術を受ける患者の年齢が高齢化している反面,少子化によって家族のサポートだけでは支えきれない状況が増えている.ストーマ保有患者はストーマケアだけでなく,化学療法の副作用症状に対するケア,終末期のケアなど必要となるサポートが経時的に変化していく.今回当院のストーマケアにおける院内の多職種連携と地域連携の取り組みについて症例を含めて報告する.
【方法】当院でストーマ造設を行う場合,受け持ちNsを中心に担当する皮膚・排泄ケア認定看護師(以後WOCNとする)がサポートしながら退院支援を展開していた.しかし,在院日数の短縮化によって受け持ちNsで展開するには限界があり,病棟としての退院支援の確立が必要となった.また,ストーマ外来でも身体機能の低下や病期の進行に応じたサポートができる体制が必要と考え,WOCNとして組織横断的に介入しストーマ保有患者の支援体制の構築に着手した.
【結果】下記8項目を確立し,タイムリーに情報交換できる体制を整えることができた.
1.ストーマオリエンテーションでの患者状態と家族のサポート体制の確認,病棟とストーマリハビリテーションの目標の共有
2.退院支援Nsおよびケースワーカーとの早期退院支援の介入
3.多職種カンファレンスでの情報発信と医師との情報共有
4.リハビリ技術科と装具交換や排泄方法,入浴方法の共有と連携
5.治療経過によって介入する緩和ケアチーム,外来化学療法室,放射線治療室との連携
6.地域との連携ツールID-linkの利用
7.地域のWOCNとの連携
8.ケアマネージャーや訪問看護師,施設職員との顔の見える連携
【結論】ストーマ保有患者に限らず高齢な患者が地域や在宅で安心して生活できる療養の場を提供するために,入院直後から始める退院に向けたアプローチ,関わる職種の専門的な知識や技術を共有できる場を設けて展開する院内の連携体制,患者を中心とした地域との顔の見える連携と情報交換ツールの確立が重要である.
索引用語 1:地域連携
索引用語 2:ストーマケア
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