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多職種チーム医療による慢性肝疾患患者の受検,受診,受療促進の取り組み |
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増井 美由紀1, 結城 美重1, 日高 勲2 |
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1山口大附属病院・看護部, 2山口大附属病院・肝疾患センター |
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【目的】 ウイルス性肝炎は我が国最大の感染症であり,現在,国をあげて検査受検,受診,受療の対策がとられている.2011年時点におけるC型肝炎ウイルス感染者は100万人以上と推定されており,感染者の年齢のピークは70歳代と高齢化している.慢性肝疾患患者の包括的なケアを推進するため,全国で肝炎医療コーディネーター(Co)の養成が行われている.本県でも平成24年度からCo養成が開始されており,現在390名が認定されている.当院における医師とCoを中心としたチーム医療での取り組みについて紹介する.【取り組み】 当院には看護師,管理栄養士,薬剤師,MSW,臨床検査技師,計57名のCoが在籍している.受検啓発として医師や他の施設のCo,行政と連携して受検啓発活動や出張無料検診を行ってきた.継続的な啓発活動の成果として,県内における肝炎無料検査の受検者数は年々増加を認めている.受診勧奨としては院内で術前肝炎検査陽性者に対する電子カルテアラートシステムを導入しているが,病棟に在籍するCo看護師が医師に肝臓内科紹介受診を促している.Coの介入後,紹介率は上昇した.受療支援としては多職種連携チーム「Team Liver」を結成し,多職種連携で肝臓病教室を行っており,その運営を消化器病棟のCo看護師が担っている.C型肝炎に対する抗ウイルス治療は進歩したが,服薬コンプライアンスが重要であり,治療開始時にはCo薬剤師が服薬指導を行い,定期受診時には医師の診察後,外来Co看護師が服薬確認をしている.また,抗ウイルス治療は高額であり,肝炎治療費助成制度の利用についてCo MSWが治療前に申請手続きについて説明している.専門職種が適切な時期に介入することにより,高齢患者であっても服薬コンプライアンスを保ちながら治療が継続できると推察する.【結論】医師と多職種のコメディカルスタッフが連携して活動することにより,慢性肝疾患患者の受検,受診,受療促進につながっている. |
索引用語 1:肝炎医療コーディネーター
索引用語 2:チーム医療
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