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多職種連携の輪で高齢者の生活を支える -広域共通ツ-ルによる意思決定支援- |
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小野里 和子1, 廣川 亜希子2, 堀部 俊哉3 |
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1戸田中央総合病院・退院支援室, 2戸田中央総合病院・看護部, 3戸田中央総合病院・消化器内科 |
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当院は医療グル-プの基幹病院として,517床の病床を有する地域密着型の急性期病院である.昨今の高齢者人口の急増,地域的特徴を踏まえ,地域包括の中心となることが急務な中で,退院支援加算1に該当する多職種間の垣根の無いシステム構築に取組んでいるが,2017年3月~2018年2月までの年間入院患者の60%が65歳以上の高齢者であることから,更なる対策が必要不可欠な現状である. 当院の位置する県保健医療圏は,3市の行政機関,2つの医師会,薬剤師会,歯科医師会,医療機関,介護・高齢者施設,訪問看護ステ-ションなど,高齢者の在宅支援にそれぞれの枠を超えた顔の見える連携構築のツールとして,広域かつ多機関および職種間で活用可能な『市民向け意思決定支援リ-フレット』と『摂食嚥下機能連絡表』の共同作成に取組み完成することが出来た. 当院では肝胆系疾患で65歳以上・75歳以上共に胆管結石・胆嚢炎での入院件数が多く,入院患者全体の4割にのぼる.次いで悪性疾患が3割となっており,悪性疾患ではステントの閉塞等による急激な症状出現による緊急入院や短期間での繰り返し入院となるケ-スが多い.これらの事より,在宅復帰にむけての患者の意思決定支援・自己管理指導・患者・家族への現状の正しい理解を促す関わりが重要である事が分かる.しかし,病棟内での退院支援計画書作成件数は月に10件ほどであり,積極的な介入が出来ていない現状があった.そこで,消化器内科病棟内の現状から,外来で入院決定時から治療と平行して退院支援にむけた取組として,上記共通ツ-ルを活用して多部門・多職種・各チ-ム間が共通認識をもって高齢者の食を支え,罹患前から健康な体づくりのための対策も必要不可欠であると考えた. 今回は肝胆系疾患での高齢者の在宅復帰に繋げた活動の方法と結果について報告する. |
索引用語 1:退院支援
索引用語 2:他職種連携
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