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メディカルスタッフプログラム2(JDDW)
11月3日(土) 14:00~17:00 第11会場:ポートピアホテル南館 トパーズ
MS2-7指
内視鏡チーム医療の向上にむけたタイムアウトの導入
楠見 朗子1, 松村 真由美1, 花田 敬士2
1尾道総合病院・看護科, 2尾道総合病院・消化器内科
【はじめに】タイムアウトは,誤認手術を防止する目的で考案された手法で,昨今では内視鏡治療時にも応用され始めている.当センターでは,並列で同様の内視鏡検査・治療を行うことが多く,患者誤認の未遂事故を経験したことからタイムアウトの導入を試みた.【対象と方法】内視鏡タイムアウト用紙を作成し,2017年12月18日~2018年1月12日まで試行の後,アンケート調査を行った.対象は,タイムアウトに関わった消化器内科医師14名,外来スタッフ10名,病棟スタッフ30名とした.調査内容はタイムアウトの賛否および理由とし,結果を元に用紙の改定を行った.【結果および考察】アンケートの回収率は医師,外来ともに100%,病棟は90%であった.タイムアウト導入後の賛否は,良いが医師(11/14),外来(7/10),病棟(25/27)で悪いはなく,残りはどちらともいえないであった.良いの回答理由として医師は1.事故防止(9)と2.術者と介助者の共通認識(9)を選択し,外来は1.(6),2.(7),看護師間の情報交換(5),病棟は1.(25),2.(4),3.(10)であった.どちらともいえないの回答理由は効果が実感できないこと,運用方法の問題が挙げられていた.タイムアウトの必要性は職種の差なく認識されている傾向が強かった.一方で,医師から効果が実感できないとの意見もあり,運用の工夫が必要と思われた.誤認防止以外の効果として,看護師間では外来と病棟の情報共有に有用であった.また,外来スタッフと医師間では,術式や処置具を確認する時間ができ,スタッフは医師の方針に沿った介助や患者観察,看護の展開が容易となった.術式変更が多いERCP関連の検査・治療では,外来スタッフの不安が特に軽減された.一方,医師は具体的な治療方針をチームで共有することで,円滑な検査・治療の展開が可能となり,特に若手医師の治療方針立案に教育効果を生んでいる.【おわりに】タイムアウトを導入し,事後調査により医師・看護師の意識を確認できた.今後は,用紙の改定や運用の工夫で内視鏡チーム医療のレベル向上に努めたい.
索引用語 1:Team medical care
索引用語 2:Time-out
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