【はじめに】内視鏡診療の需要は右肩上がりに増加しスクリーニング検査は数千件を越え施行している施設が多い.スクリーニング検査であっても的確,安全に検査をこなすためにチーム医療が必要である.各職種の評価はメディカルスタッフのチェックも必要であるが,患者目線での評価も必要である.今回,タブレット端末を利用し検査後アンケートを施行し患者満足度からみたチーム医療の評価が可能かを検証した.【方法】タブレット問診端末を利用した内視鏡入力支援システム(Voice Capture)には,検査後アンケートを入力できる機能もある.検査後アンケートは5段階評価で測定でき患者満足度を定量化できる.【目的】検査後にタブレット端末を利用して患者満足度測定が可能か,適切な評価ができチーム医療の推進に役立つかを検討した.【対象】2018年1月より3月まで当院で施行されたスクリーニング検査 952症例を対象とした.連続的に前向きに観察した.【評価方法】スクリーニング検査後にタブレット端末を利用してアンケート調査ができたかを評価した.医師・看護師・事務への満足度と検査苦痛度を5段階評価(大変に良い/大変楽=5点,良い/楽=4点・普通=3点・悪い/辛い=2点・大変に悪い/大変辛い=1点)し,患者満足度・苦痛度の間に関連があるかを検討した.【結果】アンケート調査できた症例は上部内視鏡で506/666(75.9%),下部内視鏡で285/286(99.9%)であった.医師・看護師・事務の満足度は各々4.54,4.62,4.49で,苦痛度は3.0であった.満足度と苦痛度の間に相関関係を認めた.メディカルスタッフへの満足度と検査苦痛度をロジスティクス回帰分析で検討したところ,オッズ比は2.98でありメディカルスタッフの努力により苦痛度が軽減することは明白であった.【まとめ】タブレット端末を利用した検査後アンケートは実用使用できる.内視鏡診療において患者満足度の定量的データによる現状把握と評価がチーム医療推進のために役立つ. |