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メディカルスタッフプログラム2(JDDW)
11月23日(土) 14:00~17:00 第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS2-2
癌患者に対する「治療と仕事の両立支援」の現状と課題
本田 優子1, 小川 裕由2, 大西 洋英2
1大阪労災病院治療就労両立支援センター, 2労働者健康安全機構
【目的】当機構は,全国の医療機関に勤務する医療スタッフ(看護師やMSW等),企業の産業保健担当者等を対象に,医療知識と労働法制等の職場知識を併せ持つ両立支援コーディネーター(Co)を養成し,癌患者等が仕事を続けながら安心して治療をすることができるよう,Coが患者に寄り添い医療機関-企業間での患者情報共有を促進することによる「治療と仕事の両立支援」(両立支援)を推進してきた.本発表では当機構病院群での癌患者に対する両立支援の現状,全国の医療機関や企業でのCoの活動状況と課題を提示し,癌患者に対する両立支援につき議論したい.【方法】両立支援の現状分析は当機構病院群で2014年10月~2018年12月に支援した癌症例332例を対象とした.Coの活動状況分析は2017年~2018年度に養成したCo2225名と,アンケート調査し得た504名を対象とした.【成績】支援した癌症例332例の年齢分布は,50歳(61例)~60歳(71例)代にピークを認めた.癌種は胃癌/大腸癌/肝癌/乳癌/肺癌/その他=58/84/17/103/30/40(例)であり,5大癌の復職率は胃癌/大腸癌/肝癌/乳癌/肺癌=72.4/72.6/70.6/77.7/60.0(%),復職までの平均日数は胃癌/大腸癌/肝癌/乳癌/肺癌=57/105/104/79/44(日)であった.Co2225名の職種はMSW/看護師/保健師/社労士/企業労務担当者/その他=23.1/20.1/8.4/15.0/23.1/10.3(%)であった.アンケート結果では医療機関所属Coの65.2%, 企業所属Coの52.2%が癌患者の両立支援に従事し,その際の課題として医療機関側では「企業の産業医不在」「両立支援に対する企業の理解不足」等があげられ,企業側では「個人情報守秘義務による企業内情報共有困難」「行政支援へのアクセスの方策不明」等が挙がった.【結論】当機構病院群での癌患者に対する両立支援の復職率からみたアウトカムは良好と考えられた.Coの活動は全国の医療機関,企業にて展開されてきているが,,癌症例における更なる両立支援の全国普及には企業への一層の啓発等が必要と考えられた.
索引用語 1:両立支援
索引用語 2:癌患者
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