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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月6日(金)  9:00 - 12:00   第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS1-5指
消化器疾患の高難度医療技術の質的評価のためのQuality indicatorの創設
工藤 篤1, 田邉 稔1
1東京医歯大附属病院・肝胆膵外科
【背景】2015年により2つの特定機能病院が承認取り消しを受けた事案を受け,2016年に医療法に基づき特定機能病院の承認要件が見直され,死亡事案が発生した場合の病院管理における院内報告制度,多職種横断的な医療安全部門による検証の重要性が求められるようになった.しかしながら,未然に死亡事案を避けるためのシステムは構築されていない.【方法】2015年-2017年度に当院で膵臓手術が実施された202例で,膵液瘻発生率をDPCデータで抽出する算出ロジックを開発し,DPC調査班(伏見班)の78大学病院35476症例のデータを用いて,当院の膵臓手術の質を検証した.【結果】当院202例の在院死亡率は1.0%で78大学病院の1.9%に比べて少ない傾向にあった.また当院は30日以内退院率が58.4%と78大学病院の45.6%に比べて有意に高かった(P<0.01).ただし,当院の膵頭部切除(PD)110例は全て開腹,膵体尾部切除(DP)89例は鏡視下が52%を占めた.当院の膵液瘻あり(PF+)は45例,膵液瘻無し(PF-)は154例であり,膵液瘻発生率は開腹PDが23.6%,開腹DPが15.7%,鏡視下DPが11.1%であり,算出ロジックの膵液瘻抽出感度は91.7%,特異度は98.1%であった.在院期間の中央値は開腹ではPF+が44日,PF-が23日であり(P<0.01),鏡視下ではPF+が28日,PF-が14日であった(P<0.01).1日あたりの総収入の中央値はPF+が75477円,PF-が58015円で有意だったが(P<0.05).腹腔鏡手術では有意差がなかった.一方,78大学病院の在院死亡率は1.9%,30日以内退院率は45.6%,膵液瘻発生率は開腹PDが20.9%,開腹DPが17.2%,鏡視下PDが13.7%,鏡視下DPが14.6%であった.当院のK615SあるいはK632-2はPDが2.7%,開腹DPが2.3%,鏡視下DPが0%であり78大学では開腹PDが5.6%,鏡視下PDが5.9%,開腹DPが4.6%,鏡視下DPが2.6%であった.【結論】外科手術の1サンプルとして創設した膵液瘻算出ロジックは極めて有用であり,今後医療事故や医療行為の死亡事例を未然に防ぐシステムの構築に可能性が高い.
索引用語 1:高度技能手術
索引用語 2:DPC
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