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多様化した患者背景に対する医療連携の取り組みNST(栄養サポートチーム)の医療連携-急性期から在宅医療のseamless nutrition care- |
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濱本 憲佳1,2, 大原 寛之1,3, 東口 高志1,3 |
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1藤田医大病院・NST, 2藤田医大病院・看護部, 3藤田医大・外科・緩和医療学 |
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はじめに 厚生労働省の医療施設動態調査によると,我が国の病床数は1996年に190万床から2018年には164万床まで減少している.これは国が2015年に示した地域医療構想による影響が大きい.種々の疾患や治療法に応じた栄養療法と健康寿命の延長を目的とするフレイル・サルコペニア予防は,今日我々が地域で暮らしていくために必要不可欠である.取り組み 当院NSTは2010年よりPotluck Party Method:PPMによる全科型NSTが整備され,コアメンバー21名と,各診療科・病棟サテライトメンバー141名の計162名で構成,病床数1435床の大規模大学病院で年間約5000件のNST回診を実施している.救急救命からターミナルケア,さらに在宅療養の患者にも外来・訪問診療による栄養管理を提供している. 2017年4月より消化器外科と共同し周術期栄養療法,2018年8月からは周術期のみならず癌化学療法や各種病態に応じた在宅栄養療法を実践できるため栄養管理外来を開始した.2019年4月~2020年3月までのNST回診5090件,外来栄養療法259件の栄養管理を実施した. 当院緩和医療科では,訪問診療・栄養管理を2013年より実施,5年間に38件の栄養療法を提供している.看護師の在宅医療への取り組みとして,退院前・退院後訪問指導による在宅中心静脈栄養法,在宅成分栄養経管栄養法を行っている患者に対し在宅栄養療法指導を実施している.結語 栄養管理は疾病に罹患した時から途切れることなくseamlessに行われなければならない.医師並びにわれわれメディカルスタッフが外来・入院・在宅のそれぞれの現場において,プロフェッショナルな知識や技術をもとに栄養療法を提供することは,患者の治療効果を上げ,健康寿命を延長することにつながる.我々の取り組みはまだ始まったばかりであり,今後も継続して外来栄養療法及び在宅栄養療法についての有用性を示していきたい. |
索引用語 1:NST 索引用語 2:seamless
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