メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月28日 9:00–12:00 第11会場(福岡国際会議場 502+503)
MS1-8
COVID-19感染禍対策において院内だけではなく院外に対して行動を起こすことで地域の連携が高まる
宮地 正彦1
共同演者:京兼 隆典1, 久世 真悟1
- 1
- 中東遠総合医療センター・外科
2つの自治体病院が9年前に統合してできた静岡県の地方中核病院の当院は1波の際に県内で最も早くから感染者を受入れ,県内医療逼迫地域から多くの感染者を引き受けた.院内外で行った対策を検討した.<専用病床確保>4波までは3病棟150床を閉鎖し,重症5症を含む33床を確保した.5波からは各病棟約15床縮小し,重症5症を含む45床を確保した.病棟閉鎖しないため看護体制の準備が6週間から2週間と短縮され,感染が少ない時に容易に一般床を増床し対応できた.<ホテル療養>近隣のホテルに従来と異なり当院の看護師を派遣し,悪化時はフルPPEで診察し,多くは不安軽減し転院を抑制できた.必要時は24時間オンライン体制の当院医師が診察し,入院適応と判断すれば短時間で入院できた.1か月後からは近隣4病院からも看護師派遣され,重症例発生はない.当院で抗体療養を行い,ホテルで経過観察し,酸素投与も可能である.<自宅療養者の管理>1波から当院医師が電話で健康管理していたが,5波から自宅療養者が保健所で健康管理ができず,当院が最大1日200人を7日間毎日2回電話し,診療必要者は来院させた.病院への感染者からの電話,来院が激減し,重症者の発生もない.<クラスター発生予防>2波から感染認定看護師が地域の施設に感染対策講演,実地指導し,地域のクラスター発生はほぼない.<地域病院との役割分担>圏域の5病院が連携し,500床の2病院で中等症以上の感染者入院対応を行い,他の中小3病院が主に感染後患者の入院治療を担当し,ホテルで軽症者,中等症1の感染者を対応することで,病床逼迫を予防できた.他の大病院の院内感染による業務縮小時は中小病院が行える急性期疾患対応を当院と分担し,地域の一般診療を行い得た.【結語】「やれないではなく,やるために考え,工夫し,実行し,結果を出す」「自分たちが動けば,周りも動く」を意識付けすることで院内,院外で好結果を出せていると考える.
- 索引用語1:COVID-19感染禍
- 索引用語2:地域連携