メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
10月28日 9:00–12:00 第11会場(福岡国際会議場 502+503)
MS1-10
堅牢なCOVID-19検査体制・全ゲノム解析による院内感染制御
弘津 陽介1
共同演者:望月 仁1,2, 小俣 政男2,3
- 1
- 山梨県立中央病院・ゲノム解析センター
- 2
- 山梨県立中央病院・消化器内科
- 3
- 東京大
当院は,2020年1月29日からPCR検査体制を準備し始め,PCR検査保険適応後に速やかに発熱外来を開始した.PCR,抗原検査,抗体検査等の迅速な検査体制を整備し,365日24時間シームレスな検査体制を構築した.ウイルス量,抗原量から,感染病期の推定し,抗体療法,経口薬による重症化を防いでいる.検査した累計検体数は2022年3月22日時点で,PCR:31,307件,FilmArray:7,246件,抗原:19,045件,抗体:8,968件となっている.PCRのCAPサーベイに参加し精度管理をしている.その間,抗原定量検査の販売前性能評価試験を企業と共同研究を実施した.
2021年1月8日からSARS-CoV-2全ゲノム解析による定点解析を開始した.1239検体の全ゲノム配列を決定し,ウイルス変異株の変遷を目の当たりにしてきた.第6波ではオミクロン株BA.1.1(BA.1+R346K)が国内に流入して拡大となり,現在,BA.2に置き換わろうとしている.TaqMan法による変異スクリーニングを陽性検体に対し行い,変異株動向の監視を続けている.入院前に行っているプーリングPCR法で,未然に隠れ陽性者の発見にも貢献してきた.現在まで,山梨県のCOVID-19感染重症患者を受け入れる感染症指定医療機関として,一日の病棟閉鎖,医療崩壊を起こすことなく診療を継続している.
- 索引用語1:新型コロナウイルス
- 索引用語2:COVID-19