シンポジウム 10
10月28日 9:00~12:00 第12会場
公募・一部指定
S10 ガイドライン改訂後の膵炎診療の現状と課題 |
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司会 | 正宗 淳 | 東北大大学院・消化器病態学 |
児玉裕三 | 神戸大大学院・消化器内科学 |
このたびほぼ時を同じくして急性膵炎,慢性膵炎の診療ガイドラインが改訂をむかえた.わが国における膵炎診療の進歩に診療ガイドラインが果たした役割は大きい.ガイドライン発刊後,以前は3割近かった重症急性膵炎の致命率は6.1%まで低下した.しかし,発症後期の致命率改善は明らかではなく,重症度判定の在り方や経腸栄養,予防的抗菌薬投与といったガイドラインが十分に遵守されていない点など課題も残る.一方,慢性膵炎診療についても,世界初の早期慢性膵炎診断基準の提唱をはじめ,2019年の慢性膵炎診断基準改訂においてMechanistic definitionが慢性膵炎の新たな定義として採用されるなど,早期を含めて病期をふまえた診療が標準化されてきている.本シンポジウムでは,各施設における膵炎診療の現状や今回のガイドライン改訂にかかわる変化,そして残された課題や今後の展望につき議論したい.