シンポジウム 6
10月28日 9:30~12:00 第1会場
公募
S6 NASHの本態に迫る |
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司会 | 中島 淳 | 横浜市立大・肝胆膵消化器病学 |
池嶋健一 | 順天堂大大学院・消化器内科学 |
NASHは代謝関連脂肪性肝疾患(Metabolic dysfunction-associated fatty liver disease:MAFLD)の中核を占め,肝硬変への進行や肝癌の発症のみならず,脳・心血管系イベントや他臓器発癌のリスク因子であることも重要視される.その病態には,PNPLA3に代表される遺伝的背景,肥満やインスリン抵抗性・脂質異常症を中心とした代謝性素因に加えて,腸内細菌叢の異常(dysbiosis)や細胞ストレス応答・傷害に伴う自然免疫系の賦活と,組織損傷修復系の失調などが複雑に関与していることが想定されている.NASHの確定診断は肝生検による病理診断がゴールドスタンダードであるが,様々な問題点が指摘されており,非侵襲的診断法の標準化と普及が急務である.薬物治療に関しては国内外で数々の臨床治験が鋭意進行しているものの,未だ肝病態に特化した治療法は確立していない.本シンポジウムでは,NASHを取り巻く基礎的・臨床的課題について,様々な観点から最新の知見を持ち寄って頂き,現況と今後の方向性について議論を深めたい.