ワークショップ 4
10月27日 14:00~17:00 第5会場
公募・一部指定
W4 門脈圧亢進症に対する診断・治療における新たな挑戦 |
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司会 | 竹井謙之 | 三重大・名誉教授 |
日高 央 | 北里大・消化器内科 |
ウイルス性肝硬変に対する治療法は劇的に進歩する一方で,NASHやアルコール由来の肝硬変症の割合は増加しつつある.食道胃静脈瘤治療においては,内視鏡・IVR治療に加えて腸内細菌叢への影響も踏まえた薬物療法を考える必要性が出てきた.バソプレシンV2受容体阻害薬により難治性腹水例は減少しつつあるが,腎機能や肝性脳症への影響は結論が出ていない.さらに血小板減少症に対するTPO受容体作動薬の効果予測因子の解明は現在も続いている.また肝性脳症に対しては従来の治療法から,難吸収性抗菌剤・カルニチン製剤・亜鉛製剤等の幅が広がったものの,長期治療成績やIVRによるシャント塞栓施行へのタイミングは定まっていない.門脈血栓症に対しては,アンチトロンビン(AT III)が保たれている症例への抗凝固療法や,血栓溶解後の維持療法には,リスクベネフィットの検証が必要である.さらに門脈圧亢進性肺高血圧症へのアプローチは始まったばかりである.本ワークショップでは,新しい時代にふさわしい門脈圧亢進症の診断と治療(予防治療も含む)に関する多くの演題を期待したい.