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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月3日(金)  9:00 - 12:00   第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS1-7
当院でのC型肝炎患者拾い上げにおける院内連携での肝炎コーディネーターの役割について
日向 高裕1, 盛田 篤広1,2, 宇野 耕治2
1京都第二赤十字病院・感染制御部, 2京都第二赤十字病院・消化器内科
【目的】C型肝炎は経口抗ウイルス療法により, 高い治療効果が期待できるが, 国内には未治療のC型肝炎患者が残されていることが課題となっている.当院でのHCV陽性者の拾い上げにおける院内連携活動を評価し, 今後の活動での肝炎コーディネーター(肝Co)に期待される役割を検討することを目的とした.【背景】当院では2019年より肝臓専門医である感染制御部の医師と検査技師により院内スクリーニング目的で行われた肝炎ウイルスマーカー陽性者の抽出を行い, カルテ記載やその後の検査オーダーなどから, 受診勧奨などが必要な患者について, 医師から主治医及び所属長に対応を促す連絡を行っている.2022年以降は同活動に肝Co資格を取得した感染管理認定看護師(ICN)と感染制御専門薬剤師も参加している.【方法】感染制御部での活動開始後のHCV陽性者拾い上げ状況について, 院内で抽出した肝炎ウイルス陽性者への対応状況の年次推移を検討した.【結果】院内で抽出したHCV抗体陽性者のうち, カルテ記載・診療情報提供書などから患者への説明や対応が必要と考えられた症例は2019-23年でそれぞれ231, 340, 346, 318, 33例であった.その中で消化器内科への紹介, HCV RNA検査オーダーやかかりつけ医への報告などが確認されたのは100(43.3%), 144(42.4%), 119(34.4%), 85(26.7%), 8(24.2%)例であり, 2020年以降の対応率の低下が顕著であった. 【考察と結語】コロナ禍での感染制御部医師の院内コロナ対策への活動強化から, 院内連携機会が減少し,検査・治療に繋がるHCV患者は減少していた.今後は肝CoであるICN, 感染制御専門薬剤師も交えた多職種連携によりHCV陽性者への対応率を向上し, 更に従来の活動に加えて肝CoであるICNの院内連携への関与, 地域連携の会への参加により病病・病診連携の強化など, 地域での取り組みと併せて活動を継続する必要があると考えられた.
索引用語 1:肝炎コーディネーター
索引用語 2:陽性者拾い上げ
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