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メディカルスタッフプログラム2(JDDW)
11月4日(土)  14:00 - 17:00   第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS2-3指
緩和ケアにおける多職種連携・看護師の立場から
本松 裕子
東京医歯大病院・看護部
がん診療の発展や超高齢化社会の到来によりがん患者は増加し,医療やケアの現場ではこれまで以上に,病を持った患者本人や家族も含めた当事者が,何を大切に生きていきたいか,どこでどのように過ごしていきたいかなど,自らの価値観をもとに選択していくことが求められる.そしてその多種多様なニーズに応え,質の高いケアを提供するために,様々な専門職が協働しケアを提供する多職種連携が必要とされている.しかし異なる職種が集まる医療チームには,専門性の違いや考え方,価値観の違いにより対立が起きることは時にある.その違いは患者家族を多角的に捉えるためにも健全なものであるが,対立が長引けば個人のストレスとなり,また職種間のわだかまりを生み,よりよい連携やケアの提供につながらないこともある.一方で対立が起きた際,その理由やその背景には何があるかなどを丁寧に掘り下げ,対話を通して互いを理解することに至れば,患者家族にとってより良いケアにつながり,そのチームが成熟する機会となると考える.私は今まで,がん診療病棟や緩和ケアチーム,緩和ケア病棟などで緩和ケアにおける多職種連携を経験してきた.様々な職種,そして個々人の価値観に触れ,コミュニケーションをとり,失敗や成功体験を重ねながら自分なりに理解を深めているところである.また同じ職種である看護師間でも立場や価値観の違いから異なる意見を持つこともあった.いずれの場合でも重要なことは,対話を通して他者との相互理解を深めることであると学んだ.以上より,患者家族のQOL向上,多様性を尊重していくためには多職種で協働していくことが不可欠であり,「違いがあるのがあたりまえ」を大前提に,まずは他者との「違い」を認め,尊重していくことが重要であると考える.そして対話を通し他者を理解しようとする努力を重ね,多職種が共に補完し合いながら,患者・家族のQOL向上を目指すことで,ひいては医療者のQOL向上にもつながると考える.
索引用語 1:緩和ケア
索引用語 2:多職種連携
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