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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月1日(金)  9:00 - 12:00   第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS1-1指
医師の働き方改革に備えたチーム医療の在り方の自院での事前検討と,働き方改革開始後のチーム医療の現状と課題
仲澤 妙美
和歌山労災病院・看護部
2024年4月から本格実施の「医師の働き方改革」に備え,当院でも幹部会にて院長主導で議論し,医師でなくても担える業務について国が検討し,改正医療法により数多くの医療職に業務範囲が広がることなどを情報共有しながら,医師の働き方改革について組織全体で取り組みたい方針が伝えらえた.しかし,当院が実施している断らない救急を継続させるためには,大きなハードルが立ちはだかった.医師は当直であるが,業務内容が夜勤に値する治療中心の業務で,医師の当直時間帯の長時間勤務の是正は必須であると考えられた.対策は,救急医師を増やすことによる2交替勤務など,抜本的見直しが必要との見解も,医師確保の困難さから容易に移行できるものではない.実際,当直業務に携わる医師達にヒアリングを行い,改善に向けて,当直勤務での負担を聞き出し,意見を対策案に反映させ検討を進めているが,2024年3月現在,夜間帯における軽症患者の一部受入制限するレベルにとどまっている.医師の働き方改革検討委員会でも,院長がビジョンを伝え,病院全体が一丸となって取り組めるように,全医療部長と情報共有しながら考えを擦り合わせた.医師のタスクシフトを実施してゆく上で,看護師,薬剤師,検査技師,放射線技師,リハビリ療養士,臨床工学技士がチームとしてどのように関わってゆけるのか,ボトムアップで意見を求めたが,負担感を感じている医療部長もおり,スムーズな移管には至っていない.何よりも大事な医療者のモチベーションを保ちつつ,チーム医療における業務の効率的分担により,各医療職の専門性を活かしていくことで,医療の質向上につなげてゆければと考えている.チーム医療において各医療職がその能力を存分に発揮できる機会に繋がるように,焦らず時間をかけて,多職種協働で業務を実施するなど工夫しながらタスクシフトに向けて準備をしている.発表時には,働き方改革開始後の当院におけるチーム医療の現状と課題を報告できればと思う.
索引用語 1:医師の働き方改革
索引用語 2:タスクシフト
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