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メディカルスタッフプログラム1(JDDW)
11月1日(金)  9:00 - 12:00   第13会場:神戸国際会議場 国際会議室
MS1-3
診療アクティビティの維持・向上と業務改善の協調的アプローチ
小笠原 定久1, 松村 倫明1, 加藤 直也1
1千葉大・消化器内科
【背景】働き方改革が叫ばれる中,新型コロナウイルス対応の一段落と共に,多くの病院で診療アクティビティの維持・向上が求められている.しかし,この目標を追求する過程で,医療スタッフの業務負担増加という副作用が発生しがちである.当院の消化器内科チームは,入院患者増加と業務負担軽減を目指し,タイムマネージメントとコミュニケーション強化による業務改善を実施した.また,2024年4月の医師の働き方改革制度開始に先立ち,2023年度よりビーコン自動打刻による勤怠管理を開始しており,そのデータも報告する.【方法】当院消化器内科チームでは,以下の改善策を導入した:1)午前退院・午後入院制度と週末入院の促進,2)病棟業務の効率化を目的とした「ムリ」と「ムダ」の削減,3)日勤帯内に検査・治療を完了させるためのタイムマネージメントの徹底,4)医師と看護師間のコミュニケーション強化.これらの策は,病棟の稼働率最大化と業務負担軽減を目指すもので,スタッフからの具体的なフィードバックを基に策定した.【結果】改善策の導入により,現時点で入院患者数は前年比7.3%増を達成し,病床稼働率も97.9%と高率を維持している.平均在院日数が昨年度の8.1日から7.9日へと短縮され,患者回転率の向上と業務効率化に貢献した.検査・治療の日勤帯内完了率の向上により,看護スタッフは患者の状態観察とケアに集中できるようになった.業務改善の継続的な取り組みにより,スタッフ間のコミュニケーションが強化され,病棟全体の業務フローが円滑になった.医師の残業時間も減少傾向にあり,2023年11月以降は月80時間以上の残業を行った医師は0名を継続している.本取り組みは当院の院内表彰にて金賞を受賞した.【結語】当院消化器内科チームの取り組みは,診療アクティビティの向上とスタッフの心理的負担軽減という二つの目標を同時に達成することを示した.タイムマネージメントと効果的なコミュニケーション,そして業務改善への継続的な取り組みが,これらの成果を支える鍵であった.
索引用語 1:働き方改革
索引用語 2:業務改善
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