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消化器内科における診療看護師(NP)の役割とタスクシフトの考察 |
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越智 優馬1,2, 西川 貴広2, 野々垣 浩二2 |
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1大同病院・NP科, 2大同病院・消化器内科 |
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【背景】日本では2011年より特定行為を修了したNPが誕生し現在759名が日本に在籍している.当院では2015年よりNPを採用し10名が所属し,1名が2023年より消化器内科専属として配属され医師と共に診療を行っている.【目的】消化器内科におけるNPの役割とタスクシフトについて当院の状況を踏まえて考察する.【方法】2023年4月1日~2024年1月31日までの電子カルテから介入した業務に関するデータを抽出した.【NPの介入】当院の消化器内科では医師10名,NP1名が所属し,4つのチームに分かれて診療を行っている.対象期間内における内視鏡検査数は12,512件で,消化器内科の入院患者数は1,226件であった.NPの主な業務はチーム内の入院患者の管理,他科や救急外来からの依頼対応,内視鏡・透視検査助手,外来業務,PICC挿入,PEG造設・交換,腹水穿刺などがある.入院患者の管理は診察し点滴や検査など主治医と相談しながら決定し対応している.外来業務はIBDセンターにおける予診や多職種との連携を担っている.また,当院では2名体制で夜間休日の待機を行っておりNP が待機をする日もある.調査期間中のNPの介入として,担当した入院症例136件,PICC挿入36件,PEG交換件数10件,腹水穿刺19件だった.【考察】当院の内視鏡件数は県内トップレベルの件数であり消化器内科医は多忙な検査をこなしながら入院患者や救急の対応に追われている.NPの業務には特定行為以外に医師の直接指示または包括的指示に基づき行っており,実際に医師の業務の一部を担うことが可能となっている.専属のNPを配置することで医師との信頼関係を構築でき,双方が業務を依頼しやすくタスクシフトに繋がりやすいと考えられる.今までは医師が行っていた内視鏡処置の第一助手や入院患者の対応など医師の業務の一部を担うことで業務効率の改善や残業時間の減少につながる可能性がある.【結論】当院のNPの働き方は医師の業務内容の一部を担い医師の業務負担を減らすことができると考えられる. |
索引用語 1:タスクシフト 索引用語 2:NP |
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