メディカルスタッフプログラム1(JDDW) |
11月1日(金) 9:00 - 12:00 第13会場:神戸国際会議場 国際会議室 |
IBDセンター薬剤師外来の導入による生物学的製剤の患者指導と医師の負担軽減の実態 | |||
中村 健志1,2, 矢野 貴久1, 直良 浩司1 | |||
1島根大附属病院・薬剤部, 2島根大附属病院・IBDセンター | |||
【目的】 炎症性腸疾患(IBD)治療における生物学的製剤の選択肢が増加し,さらにIBD患者数も年々増えている中,生物学的製剤の患者指導に要する医師の負担が増大している.当院IBDセンターでは2016年から薬剤師外来を導入し,外来患者の薬学的管理を行っている.そこで,当院IBDセンターにおける薬剤師外来の導入が,生物学的製剤の患者指導における医師の負担をどのように軽減したかを検討した. 【方法】 当院IBDセンターにおいて,患者に初めて処方された生物学的製剤の薬剤名,種類,および処方件数を調査した.2008年から2015年を薬剤師外来導入前,2016年から2023年を導入後と定義し,薬剤師外来の患者件数も調査した.患者一人にかかる診察時間や薬剤の指導に要する時間を測定し,医師の負担を評価した. 【結果・考察】 薬剤師外来の導入前後で比較した結果,生物学的製剤の種類数は導入前の65薬剤(入院:43薬剤,外来:22薬剤)から導入後は186薬剤(入院:55薬剤,外来:131薬剤)に増加した.薬剤師外来導入前は外来で未実施だった患者指導は,導入後は104人(79.4%)で実施された.医師の平均診察時間は15.1分であり,生物学的製剤を新たに開始する際の患者指導に要する時間は,内服薬が10.8分,注腸・坐剤が8.6分,注射薬が7.6分であった.医師の診察時間の中で生物学的製剤の患者指導の占める割合が大きいことが示された.さらに,薬剤師外来における患者の指導時間は平均23.6分であり,患者の理解度等に応じた詳細な患者指導が実施できていることが考えられた.IBDセンターにおける薬剤師外来の導入が,医師の診察効率の向上や負担軽減に寄与したことが示唆された |
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索引用語 1:薬剤師外来 索引用語 2:負担軽減 |
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