【背景】2024年4月より,医師の働き方改革が開始される.当大学胆膵チームも働き方改革に即した業務の効率化とチーム及び個々の成長の両立を目指し,改革を進めてきた.1 チーム制と主治医制とのハイブリッド(2023年-):各担当医の裁量範囲を広げ,各々が主体的に患者と向き合い,検査や治療を決定できる環境とした.診療の質を維持するため方針を全体で協議し,常にバックアップがあることで,個々が安心して診療に取り組める様に心がけている.2 休日当番制(2022年-):重要事項を共有し,休日夜間でも相談ができる環境を整えた.3 内視鏡計画(2023年-):9-11年目の医師が1週間分の各検査担当を決め,全体に連絡する.主実施者は担当症例について理解し,必要な検査及び処置,道具を含めて計画する.前日のカンファレンスで主実施者が検査/処置についてプレゼンし,全体で協議することで方針を共有する.4. 検査/処置の工夫(2022年-):看護師と相談し,臨機応変に検査/処置を並列で進める,順番を変更する,など,時間内に終了できるよう皆で協力している.【目的・方法】上記取り組みが働き方改革に寄与しているか,胆膵内視鏡時間の観点から検討した.内視鏡記録から内視鏡終了時間を全日分抽出し,業務超過の割合と超過時間を算出,2021年度と2022年度,2023年度を比較した.【結果】透視下胆膵内視鏡の件数は2021年度396件,2022年度404件,2023年度(-2024年2月)520件と,年々増加していた.2021年度の業務超過割合は42.7%(76/178日),2022年度31.7%(66/208),2023年4-12月30.9%(51/165)であった.超過時間の中央値は2021年度63分(4-286),2022年度38.5分(3-217),2023年4-12月38分(1-198)であった.【考察】時間内に業務を終了する意識がチーム全体に浸透し,件数が増加している状況でも超過時間を抑えることができた.時間内に業務を終了することで研究やプライベートに充てる時間が確保でき,更に時間確保が健康やモチベーション維持に繋がって個々の成長に寄与すると考える. |