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消化器外科領域におけるメディカルスタッフ・医師総力戦による働き方改革対策 |
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西本 光輝1, 工藤 道弘2, 大田 妙子3 |
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1京都岡本記念病院・臨床工学部, 2京都岡本記念病院・消化器外科, 3京都岡本記念病院・診療事務課 |
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【目的】2021年より働き方改革法案が施行,関係職種へのタスクシフトが可能となった.当院では法施行時より,様々な職種の増員や教育を行いこれらに対応できる体制の構築を行ってきた.その実際と成績について報告する.【方法】消化器外科領域ではメディカルクラーク(MC)・臨床工学技士(CE)の2職種に対するタスクシフトを強化した.2021年MCを計34名,CEも34名に増員,419床の施設に対して多い人数を確保した.MCに対してはカルテ記載,詳記,書類業務,サマリなど広範囲な代行を可能とし,MCの協力の元術前センターを設け術前検査から麻酔科紹介まで自動で進むPatient flow managementを確立した.CEについてはスコープオペレータ業務(SO)を教育開始,すでに200例弱のSO業務をCEがこなしている.2023年4月からCE夜間休日オンコール体制を構築,時間外SO業務はCEに交代することとした.日中もCEに参加を依頼し並列手術が倍増した.この現状における時間外削減効果,医師,CEに対する満足度調査を行った.【成績】MCやPFMを確立後,外科医師に対してアンケートを行った.全医師が業務意欲が向上したと返答,書類・カルテ業務については88%が有用,質も77%が許容範囲のレベルと返答,PFMと外来カルテ代行記載が極めて満足度が高く,月5時間以上の削減効果ありと55%が返答した.CE,SO業務については予想以上に技術が高いとの評価であった.CEに対するアンケートでは50%がSO業務に興味あり,16%がやりたくないと返答した.熟練者のアンケートでは半数が積極的に続けたいと返答した.CEオンコール体制構築前の6年間の腹腔鏡下手術による時間外業務は月平均6.8時間が生じていたが,CE参加後は月平均5.9時間の時間外SO業務をCEがこなしており,十分な成果がみられた.【結論】働き方改革はチーム医療の強化をもって達成可能と考えられ,より病院としてのチーム力を強化する良い機会になると考えられる. |
索引用語 1:タスクシフト 索引用語 2:スコープオペレーター |
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